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免責申立ての失念を防ぐための具体論

(1)外国人が免責を受けることができることの明示(破三条)
これまでは解釈によって外国人も免責を受けることができることとされていたものを、三条において「外国人は、破産手続、「免責手続及び」復権の手続に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する」として明示した。

(2)管轄の拡充(破四条~七条)
法人の代表者と法人、連帯債務者相互間、主たる債務者と保証人、夫婦などでいずれか一方の破産事件が係属している裁判所にもう一方の者が破産を申し立てることができるようになった。

(3)自由財産(破産財団に属しない財産)の範囲の拡大と自由財産の範囲の拡張の裁判(破三四条三項・四項)
差押禁止財産は旧法でも基本的に自由財産であったのだが、なぜか自由財産からはずされていた農業・漁業用の動産が自由財産とされ、標準世帯の必要生計曹](民事執行法施行令により三三万円とされている)の三ヵ月分(民事執行法の差押禁止金銭の二分の三倍)の九九万円が自由財産とされた。旧法では金銭の自由財産は必要生計費の一ヵ月分でかつその必要生計費も二一万円とされていたので、大幅にアップした。また、裁判所が、破産者の生活の状況や保持している自由財産の種類・額、破産者が収入を得る見込みなどの事情を考慮して、自由財産の範囲を拡張することができるという自由財産拡張の裁判の制度が導入された。いずれも債務者の経済的再生の目的に沿うものである。

(4)免責制度の強化(破二四八条~二五四条)
免責申立ての失念を防ぐための免責申立ての擬制(破二四八条四項)や免責手続中の個別執行禁止効(破二四九条)の規定が新設された。一方で、非免責債権として、故意または重過失に基づく身体・生命を侵害する不法行為請求権や養育費・婚姻費用等の請求権、雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権が追加された(破二五三条一項三号~五号)。そのほか、債権調査・確定手続、配当手続の簡素化・合理化および破産財団の管理、換価の迅速化・実効性確保の見地からの管財人の権限強化など(簡易迅速な債務名義の取得(破一五六条)、損害賠償請求権の査定制度(破一七七条~、担保権消滅制度(破一八六条~など)の改正・制度の新設があった。