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破産手続開始申立ての方式とは

破産手続開始の申立ては、破産規則で定める事項を記載した書面でしなければならない(破二〇条一項、破規一三条)。東京地裁破産再生部の申立書書式は、A四横書き一枚のシンプルなものである。破産手続開始申立ての際には、申立手数料(印紙)と予納郵便切手および予納金(破二二条一項、破規一八条一項)を納付する必要がある。予納金は、官報公告費用に充てられるほか、管財事件の場合には、管財業務の遂行に必要な費用や管財人報酬などの手続費用に充てられる。費用の予納がない場合、費用の仮支弁の適用を受けるケースを除き、裁判所は予納命令を発し(破三一条二項)、それでも費用の予納がないときには、破産手続開始申立てを却下することになる(破三○条一項一号)。

債務者が、弁護士に破産・免責手続を依頼する場合、以上とは別個に弁護士費用がかかる。東京三弁護士会の費用基準は、法律扶助の基準を満たす債務者の場合には、法テラスによる弁護士費用の立替制度を利用することができる。破産手続開始の申立ては、破産手続開始の決定があるまでは取り下げることができるが、開始決定後は取り下げることはできない(破二九条)。破産手続開始決定がなされると、その決定の時から効力を生じるから、決定後の取下げを認めると法律関係が複雑化し、不合理な結果や混乱を招くと考えられるため、そのような事態の発生を防止する趣旨である。

同様の趣旨から、破産手続開始決定以前でもすでに他の手続の中止命令(破二四条一項)、包括的禁止命令(破二五条)、財産保全処分(破二八条一項)、保全管理命令(破九一条二項)、否認権のための保全処分(破一七一条一項)がされているときは、裁判所の許可を得ないと取下げはできないとされている。取下げは書面で行わなければならない(破一三条、民訴二六一条三項)。ただし、自己破産申立ての場合はもちろん、債権者申立ての場合でも相手方である債務者の同意は不要である。