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破産手続開始決定とその後の手続

申立てを受けた裁判所は、提出された書類と債務者本人や代理人との面接(「審尋」という。破一三条、民訴八七条二項)により、債務者に破産原因があるかどうかを調査し、破産原因があると認めれば、破産手続開始決定をする(破三〇条一項)。最近では審尋を経ずに書面審査だけで破産手続開始決定を出す裁判所も増えている。破産手続開始申立てから破産手続開始決定までの時期は各裁判所により区々であるが、二〇〇五(平成一七)年に実施された日弁連の破産記録調査では、申立てから三〇日以内が約六〇%、四五日以内が約八〇%となっている。

東京地裁破産再生部では、同時廃止事件では、代理人が面接したその日に破産手続開始決定がなされる扱いとなっている。冒頭で述べたとおり、破産手続開始決定の際、債務者にめぼしい資産がない場合、破産手続開始決定とともに同時廃止決定がなされる(破二一六条一項)。破産手続開始原因はあるが、債務者の財産が少なくて破産手続の費用すら捻出できないことがわかった場合には、破産手続を進めても意味がないばかりか無駄であるから、一応破産手続開始決定の効力は発生させた上で、その後の手続(破産管財人の選任や債権届出期間や財産状況報告集会、債権調査期間・期日の指定など)を進めない扱いとする裁判所の決定である。

破産廃止決定の主文と理由の要旨は破産手続開始の決定の主文とともに公告され(破二一六条三項)、利害関係人は即時抗告ができる(同条四項、破九条)。廃止決定がなされれば、管財事件の場合とは異なり破産者は破産財団についての管理処分権を失わないが、資格制限などの効果は残る(免責決定が確定するなどして復権して初めて資格を回復することになる(破二五五条一項一号))。また、破産債権者の個別的権利行使の禁止(破一〇〇条一項))という制約も一応ははずれることとなるが、免責手続中の強制執行を許すことは破産者の経済的再生の大きな障害となる。

同時廃止決定が確定したときには、免責許可の申立てについての裁判が確定するまでの間は破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行等、破産債権に基づく財産開示手続の申立てまたは破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続で破産者の財産に対してすでになされている者および破産者についてすでになされている破産債権に基づく財産開示手続は中止する(破二四九条一項)。ただし、以上の禁止の対象が「破産債権に基づく」となっているように、財団債権は免責の対象とならないので禁止の対象外となっている。