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自己破産の実務

破産手続は、債務者が支払不能の状態になったときに、破産管財人を選任して債務者の総財産を換価し債権者に配当する手続である(この手続を次の同時破産廃止事件と区別して「管財事件」という)。債権者に配当すべき財産がない場合には、換価・配当の手続は行わず、破産手続開始決定と同時に手続を終了させることとしている(同時破産廃止。以下「同時廃止」または「同時廃止事件」という)。債務者の経済的再起を図るために破産者の債務を免除する免責制度とセットになっている。破産法は、二〇〇四(平成一六)年五月に旧破産法が廃止されて新破産法が制定され、二〇〇五(平成一七)年一月一日から新法が施行されている。

多重債務者救済法としての破産法という観点から見たときの改正の主たる点は次のような点である。新法は、その一条において、同法の目的を「支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ること」と明言している。旧法にはこのような目的規定はなかった。

破産法が清算手続であることを前提としながらも、債務者に対して経済的再生の機会を提供することをもう一つの目的として明言したことは、多重債務者救済法としての破産法という位置づけが明確になるとともに、条文や制度の解釈が分かれる際の明確な指針ともなるものであり、大変評価できる。使われている文字がカタカナからひらがなに変わり、冒頭の一条で法律の目的を明示し、二条に同法で使う専門的技術的概念の定義規定を置いており、旧法に比べると格段に、法律の目的や条文の理解がしやすくなっている(とはいっても、まだまだ一般市民が理解するのは容易ではないと思われるが)。条文の構造(章立て)も、同じ倒産処理法である民事再生法と会社更生法と同じように、手続の流れに沿った構成になっており、それ自体としても読みやすくなり、他の倒産処理制度との比較もしやすくなっている。

ハードシップ免責とは

(1)仕組み
民事再生法二三五条、二四四条の免責制度は、再生計画の遂行が極めて困難となった場合に、その段階で免責決定をして、以後の支払をする必要がないようにするものである。日本の個人再生(民事再生法の特則)は米国連邦破産法第一三章手続きが念頭に置かれて導入されたが、その中にハードシップ免責(「ハードシップ」とは、苦難、苦境という意味)とよばれる制度があり、民事再生法二三五条、二四四条の免責制度はこれを参考に導入したので、同様にハードシップ免責と呼ばれている。

(2)要件
ハードシップ免責が認められる要件は、①再生債務者がその責めに帰することができない事由により、再生計画を遂行することが極めて困難となったこと、②再生計画による変更後の基準債権(民再二三一条二項三号)および基準債権と同様に扱われる再生債権(民再二三二条二項・三項但書)に対して、その四分の三以上の弁済を終えていること、③非減免債権(民再二二九条三項)のうち、民事再生法一五六条の一般的基準に従って弁済される部分(民再二三二条四項・五項但書)に対して、その四分の三以上の弁済を終えていること、④免責決定が再生債権者の一般の利益に反しないこと、および⑤再生計画の変更(民再二三四条)をすることが極めて困難であること、である。

このうち、要件④は、いわゆる清算価値保障原則(債権者には破産になった場合の配当相当額は確保できるようにしなければならないという規制)を定めたものであるが、この場合の清算価値は、ハードシップ免責決定時のものではなく、再生計画認可決定時のものである。その理由は、ハードシップ免責の対象は、あくまで再生債権なので(例えば、再生計画認可後の新規貸付金は含まれない)、再生計画認可決定によって分割払いを許容することにした前提には、認可決定時における清算価値は保障されるということだったのだから、再生計画認可決定時の清算価値が未だ充足されていない段階で分割払いを打ち切るのはおかしい、という考えに基づくものである。

(3)手続き
ハードシップ免責を求めるには、申立書に要件に該当する事実を証する書面を添付して、裁判所に提出する(民再規一三三条)。裁判所は、届出再生債権者の意見を聴いて(民再三二五条二項)、要件を充足していれば免責決定をする。免責申立てについての決定に対しては即時抗告可能で(同条四項)、免責の決定は、確定によって効力が発生する(同条五項)。

(4)免責決定の効力
免責決定が確定すれば、再生債務者は、すでに履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(非減免債権および再生手続開始前の罰金等を除く)の全部について、支払う必要がなくなる(民再二三五条六項)。再生計画履行中の新規貸付金は再生債権ではないので、ハードシップ免責の対象にはならない。それも含めて免責を得ようとするのならば、ハードシップ免責申立てではなく自己破産を選択する必要がある。

再生計画の履行が困難となった場合の対処

1 債務者の対処方法
再生計画の履行が困難となった場合、何が何でも一度決まった再生計画に基づく支払を続行するというのではなく、その時点で最適の債務整理方法を冷静に検討する必要がある。民事再生法が、個人再生の中で用意している制度は、①再生計画の変更(民再三二四条、二四四条)と、②いわゆるハードシップ免責(民再二三五条、二四四条)である。①も②も不適当な場合は、新たに自己破産をするか、改めて個人再生を申し立てるという選択肢もあり得る。

2 再生計画の変更
(1)仕組み
再生計画の変更とは、再生計画で定められた弁済総額は変更せずに、最終弁済期を最長二年延長し、これによって毎回の分割支払額を少なくするというものである(民再二三四条、二四四条)。

(2)要件
再生計画の変更が認められる要件は、①再生債務者が申し立てること、②再生計画認可決定後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったこと、および③変更後の最終弁済期は再生計画で定められた最終弁済期から二年を超えない範囲で定めること、である。どのような場合が②の「やむを得ない事由」に該当するかは事案ごとに判断するが、例えばリストラにあって解雇され、再就職先の収入が前より低いという場合は、これに該当するであろう。再生計画の遂行の困難の程度は「著しく」でないと要件を満たさないが、具体的には、事案ごとにこの要件に該当するか否か判断せざるを得ない。

(3)手続き
再生計画の変更を申し立てるには、申立書と変更計画案を作成して同時に提出する(民再規一三二条、九四条二項・三項)。その後の手続きは、再生計画案の提出があった場合の手続きが準用される(民再二三四条二項)。したがって、変更対象の再生計画が小規模個人再生によるものであった場合は、変更計画案について、裁判所の付書面決議決定(民再二三〇条三項)によって債権者の書面決議に付し、不同意債権者が法定多数でなければ、みなし可決(同条六項)となり、不認可事由がない限り、変更計画認可決定となる。

不認可事由としては、変更要件(民再三二四条一項)を満たさないというほかに、手続違反(民再一七四条二項一号)、遂行可能性なし(同条同項二号)、決議が不正の方法によって成立した(同条同項三号)などがある。変更対象の再生計画が給与所得者等再生であった場合は、変更計画案について、裁判所の付意見聴取決定(民再二四〇条)により、債権者の意見聴取後、不認可事由がない限り、変更計画認可決定となる。変更計画認可決定に対しては即時抗告が可能であり(民再二三四条三項、一七五条、二四四条)、認可決定確定により効力が発生する(同条三項、一七六条、二四四条)。

保証人等への効力

一口に住宅ローンといっても、具体的事例においては、ボーナス増額払いの有無、一つの銀行から数口に分けて借りているもの、複数の金融機関から借りているもの、固定金利、変動金利等々様々であり、その事案に最も適切な特別条項を定める必要がある。再生計画は、別除権や保証人等には効力が及ばないのが原則だが(民再一七七条二項)、住宅資金特別条項の場合は、例外として、住宅ローン抵当権や保証人等に対しても効力が及ぶ(民再二〇三条一項)。住宅ローンの主債務者が、住宅ローン特則付個人再生の再生計画で、最終弁済期を延長して毎回の返済額を減らすことができれば、保証人も同じ利益を享受できる、というわけである。

(1)債権者一覧表の記載
住宅ローン特則を利用する場合には、債権者一覧表にその旨記載しておく必要がある(民再二二一条三項四号、二四四条)。また、債権者一覧表にその記載をすると、再生計画案には必ず住宅資金特別条項の定めを記載しなければならない(民再二三一条二項四号、二四一条二項五号)。債権者一覧表は、申立時に提出する必要があるから、住宅ローン特則を利用するか否かは、申立時に決めておかなければならず、手続きの途中で変更はできない。

(2)申立時添付書類
住宅ローン特則を利用する場合、申立時に住宅ローン契約書の写、約定支払予定表、住宅および住宅敷地の登記事項証明書等の提出をする(民再規一一五条一項、一〇二条、一四〇条)。

(3)一部弁済許可
個人再生申立時までに住宅ローンについて支払遅滞がなく、手続中も引き続き支払可能の場合は、申立後速やかに、民事再生法一九七条三項に基づく「住宅ローンについての手続中の一部弁済許可の申立て」をする。

(4)競売手続中止命令
個人再生申立前または申立後に、住宅ローンの抵当権に基づく競売開始の申立てがあった場合は、民事再生法一九七条により、競売手続きの中止を申し立てることができる。

(5)債権調査の不存在
住宅ローン特則を利用した場合、住宅ローン債権者には議決権はなく(民再二〇一条一項)、債権調査手続き(異議、評価)からも排除されている(民再二二六条五項・六項、二二七条一〇項、二四四条)。再生計画において、他の一般債権と異なり、住宅ローン債権者の意思に反して元利損害金が減免されることはないからである。

(6)再生計画案
再生計画案には必ず、住宅資金特別条項を定めなければならない(民再二三一条二項四号、二四一条二項五号)。

住宅ローン特則の利用の可否

世の中に存在する住宅ローンには様々な方式があるため、住宅ローン特則が利用できるか否か、微妙な場合が少なくない。実務では、形式的に条文を当てはめると住宅ローン特則が使えないような事案でも、実質的に考えて住宅ローン特則の利用が認められる場合もある。ただし、この点はいまだ実務の動向は流動的であり、各地の裁判所により、また同じ裁判所でも時期により運用が異なるので、注意が肝心である。例えば、夫婦または親子が一つの住宅を共有で購入するにあたり、同一の金融機関から別々の金銭消費貸借を結び、抵当権はそれぞれ住宅全体に設定するという形式での住宅ローンがある(ペアローンと呼ばれることがあるが、ペアローンと呼ばれる住宅ローンの形式も、金融機関によって中味は同一ではない)。

形式的に考えれば、一方の持分にその者にとっての住宅ローンではない他方の抵当権が設定されているので、民事再生法一九八条一項但書該当として、住宅ローン特則は利用できないのではないかという疑問が生ずる。しかし実質的に考えて、この場合も具体的な弊害のおそれがなければ住宅ローン特則の利用を認めるのが妥当ではないかということで、実務上は少なくとも「同一家計を営んでいる者同士で、全員が住宅ローン特則付個人再生を申し立てている場合」は、住宅特則の利用を認める運用が多いようである。事案により、「全員の申立てでなくとも可能」という扱いがされる場合もあるようであり、各地の裁判所により、また時期により、取扱いが異なっており、まさに実務の現状は流動的である。

住宅ローン特則は、さきに述べたとおり、再生計画の中に住宅資金特別条項を加えたものであり、手続きの流れは、住宅ローン特則のない個人再生と変わらない。注意すべき点のみを以下に記す。住宅ローン特則を利用する場合は、債務者は住宅ローン債権者と事前に協議することとされている(民再規一〇一条一項)。これは規則事項であるから、事前協議をしていないからといって、申立てが棄却されたり、手続きが廃止になったり、再生計画が不認可となるわけではないが、円滑な手続きのためには、可能な限り事前に協議をしておくのがよい。特に、同意型とか組替型を考えている場合は、金融機関の協力を得る必要がある。

住宅ローン特則が使えない場合

住宅ローンを抱えていれば、どんな場合でも住宅ローン特則を使えるというわけではない、住宅ローン特則を使える要件は、民事再生法の該当条文(一九六条、一九八条)に規定されている。この中で、住宅ローン特則が使えない場合として実務上重要なのは、次の場合である。

(1)住宅に、住宅ローンまたは保証会社の求償権以外の債権に関する担保権が設定されている場合
民事再生法一九八条一項但書前段に規定されている。住宅ローン以外に、住宅を担保とする借入れをしている場合が該当する。その担保権と住宅ローンの抵当権との先後は問わない。住宅ローンを抱える多重債務者が、住宅に後順位担保権を設定してサラ金業者から借金をしていると、この規定のため、住宅ローン条項が利用できずに困っているという事案が多数ある。実務的な対処としては、当該担保権者と相対交渉で担保を抹消してもらうことが考えられるが、いつでも可能というわけではない。なお、(1)に該当する場合でも、認可決定時までに問題の担保権が抹消される見込みがあれば、個人再生手続きは進めることができるが、途中でその見込みがないことが判明した時点で手続きは廃止となる(民再一九一条一号、二四三条一号)。

(2)住宅以外の不動産に後順位担保権が設定されている場合
民事再生法一九八条一項但書後段に規定されている。住宅ローンの抵当権が、住宅のほかに住宅の敷地にも設定されていて(これが普通だろう)、敷地に住宅ローンと無関係の後順位抵当権が設定されていると、これに該当する。(イ)と違って、設定されている担保権は、住宅ローンの抵当権より後順位のときに限定されている。なお、(1)と同様に、(2)に該当する場合でも認可決定時までに問題の担保権が抹消される見込みがあれば、個人再生手続きは進めることができるが、途中でその見込みがないことが判明した時点で手続きは廃止となる。

(3)保証会社の代位弁済後六ヵ月を超えた場合
民事再生法一九八条二項に規定されている。住宅ローンの支払を遅滞し、保証会社が代位弁済をした後でも、代位弁済後六ヵ月を経過する日までに個人再生の申立てをすれば、住宅ローン特則を使うことができる。この場合、再生計画認可決定が確定すると、代位弁済はなかったものとみなされ(民再二〇四条一項)、もとの住宅ローンが復活する。実務上、「巻き戻し」といわれている。

住宅資金特別条項の内容

住宅ローンに対する再生計画(住宅資金特別条項)としてどの程度の内容のものが認められるかは、民事再生法一九九条で規定されている。原則は、同条一項の期限の利益回復型といわれるもので、これは、一般弁済期間(住宅ローン以外の再生債権に対して再生計画によって分割払いをすることとなる期間、すなわち個人再生では原則三年(例外最長五年))内に、遅れた分の元利損害金を払い、失われた期限の利益を回復するというものである。

一般弁済期間中に、①住宅ローン以外の再生債権、②再生計画認可決定確定時までに、当初の住宅ローン約定によれば本来支払われるべきであった住宅ローンの未払元利損害金、および③当初の住宅ローン約定によって再生計画認可決定確定後に支払われるべき元利金を、払わなければならないので大変である。この履行が困難な場合は、同条二項の最終弁済期延長型といわれるものを利用できる。これは、当初約定の最終弁済期を延長することによって、毎月支払うべき住宅ローンの元利金を少なくすることができるので、履行の可能性が高まる。

ただし、支払総額は、当初約定より増えることになる。また延長できる期間は、約定の最終弁済期から最長一〇年で、かつ債務者の年齢が七〇歳を超えないときまでであるから、約定の最終弁済期においてすでに債務者が七〇歳を超えている場合は使えない。これでも履行が困難な場合は、同条三項の元本一部猶予型を利用することができる。これは、一般弁済期間中とその後とで、住宅ローンの元利金支払額に差を設け、一般弁済期間中の住宅ローンの支払額を少なく(ただし、利息のみの支払は認められず、元本の一部は弁済する必要がある)しようとするもの(ステップ償還となる)である。法律が認めるもの(銀行が同意しなくとも裁判所が認可し得るもの)は、以上の三つの型である。

このほか、銀行が同意すれば、元利金の減免を含むどのような内容のものでも可能である(同条四項の同意型)。実際には、「そのまま型」といわれるものが、現状の住宅資金特別条項の多くを占めている。これは、再生手続開始申立てまでに住宅ローンについては支払遅滞はなく、申立後は「住宅ローンについての手続き中の一部弁済許可」(民再一九七条三項)を得て引き続き約定どおりそのまま支払を続け、再生計画認可決定確定による再生手続き終了後も引き続き原契約どおりの支払を続けていくものであり、民事再生法一九九条一項の期限の利益回復型に含まれると解される。

ところで、「そのまま型」が多いからといって、必ずしも「そのまま型」が適正だということにはならないという指摘もされている。債務者の支払能力からみたら、当初の住宅ローンを組み替えた方がよいのではないかと思われるのに、住宅資金特別条項を使いこなせていないため、あるいは住宅ローン債権者の方では組み替え(特に非同意型の)は面倒なため、手をつけていないのではないか、という批判である。住宅ローン特則について、理解を深め、自由自在に使いこなせるようにする必要がある。

住宅資金特別条項

住宅ローンを抱えた多重債務者が、住宅を維持しながら分割払いの債務整理ができる方法として、民事再生法第一〇章住宅資金貸付債権に関する特則(以下、住宅ローン特則という)を使った個人再生がある。全国の個人再生申立件数のうち、約四~五割は住宅ローン特則付個人再生であり、今後ともこの利用は増えていくものと見込まれる。住宅ローン特則の仕組みは、一言でいえば、再生債権の一つである住宅ローンを他の再生債権と区別して特別に扱うというものである。

特別扱いの内容は、返済方法について若干の組み替えは認めるも、元利損害金について一切減免はしない、というものである。再生計画の中に、住宅ローンについて特別扱いの内容を定める条項(住宅資金特別条項)と、住宅ローン以外の再生債権について減免率(弁済率)と分割払内容を定める一般条項とを併記し、一体として再生計画として認可するものである。住宅ローン特則は、個人再生に限らず、通常再生でも利用できるが、住宅ローンの債務者は個人に限られるため、個人再生の中で用いられるのがほとんどである。住宅ローン特則を利用した場合でも、住宅ローン以外の再生債権に対する再生計画による最低弁済額が軽減される、ということはない。

債務者が住宅ローン特則を利用することによって、住宅ローン以外の再生債権者に対して不利益を被らせるわけにはいかないからである。このため債務者は、再生計画の一般条項によって減免された、住宅ローン以外の再生債権を払いながら、住宅ローンは全額支払っていかなければならない(組み替え可能な場合は、毎回の支払額を少なくはできるが、支払総額は減らすことはできない)。もっとも、住宅ローンを抱えていない債務者も、通常、家賃という住居費は払わざるを得ないわけであるから、住宅ローン特則を利用すると、利用しない場合に比べて特別に負担が重くなるということではないだろう。

住宅ローン特則を利用して住宅ローンを払っていく場合も、住宅ローンを抱えずに家賃を払っていく場合と同様に、毎月の支払額が多ければ、収入等の個別事案によるが、特別事情ありとして、原則三年間の分割払いを最長五年間の分割払いとすることは可能である。一般条項によって住宅ローン以外の再生債権を大幅にカットし、支払を最長五年間で打ち切り、住宅ローンについては一切のカットはない、ということは、それだけ住宅ローン債権者(銀行等)の立場が保護されていることを示すものでもある。